第6章 ちらちらと振る白い雪
「あー寒い」
寝返りを打つと実弥の寝顔が目の前に現れる
愛おしい
そう思い実弥の頬にてを滑らせる
「ぉい」
「あれ起きてたの?」
「もう一発やられてぇのか」
ニヤリとする実弥から離れるように手を離すと逆に抱き寄せられた
「離れんなよ」
「寒いだろ」とくっつく実弥
昨夜は激しく抱き合った
だるい体を捻らせ実弥に向き合う
「寒いね」
「もう冬だもんなぁ」
実弥との初夜を迎えてから彼が家に泊まることが増えた
「あーもう起きねぇとやべぇな」
枕元のスマホに目をやると実弥は上半身を起き上がらせる
鍛え抜かれたその身体は何度見ても惚れ惚れとしてしまう
「なんだよまた発情してんのか?」
「違うもん!」
「次の休みまで我慢しとけよ」
頭を優しく撫で頬に手をやる
その手が優しくて恋しくてキスを落とす
「あ"ーもうやめろやぁ」
「発情してんのは実弥のほうでしょ?」
「そうさせてんのはお前だろ」
実弥がちひろの胸に手をかけた時最後のアラームが鳴る
「あ"ーくそ」
苛立つ実弥
出勤する時刻が迫る
胸元を開けたワイシャツにベストを着る
「ねぇ実弥」
「ああ?」
「そんな胸元開けて生徒誘惑してるの?」
「はあぁぁ?」
実弥は首が窮屈になるのが嫌で胸元を開けているがそんなつもりは全くない
「んなわけねぇだろぉ」
「少なくとも私は誘惑される」
「ばっかじゃねぇの」
ゴリゴリっと頭を捻られ「痛い」と叫ぶ
「首が詰まってくるしぃんだよ」
「でも、そんな姿、私以外に見せないでほしいな」
なんとも可愛いお願いをするちひろに実弥も綻ぶ
「なんだよヤキモチかぁ」
「....っ、悪いの?」
「悪かねぇよ」
「大丈夫だ」と言わんばかりに激しくキスを落とす