• テキストサイズ

君想う

第4章 真っ赤な太陽


と、意気込んでみるが
先日の実弥とのデートからちひろの心境は穏やかではなかった

どうしてか実弥があの幼い頃から知ってる実弥がカッコよく見えるのだ

「もしかしたら実弥ってカッコいいのかも」
「は?なに急に」

宇髄は驚いた
今までおまえは何を見てきたんだと叫びたい

「いや、気付かないフリしてたんだけどさ。実弥がこの店くると先に来る女客がザワザワしだすんだよね」
「なにそれ気付かないフリしてたの?」
「実弥はさー子供の頃から知ってる男の子で。そんな目で見てなかったから...そういえばこの前デートしたんですよ」
「うっそ!まじで?実弥と?」
「そぉ」

宇髄が乗り出す
随分とキラキラした目で見るなーと思いながらも話を続ける

「人混みだったから実弥が手を繋いできて」
「まーじーでーかー!」
「不覚にもドキドキしちゃったんですよねぇ」

そこに実弥が来店する

「今日もいんのかよ」
「いちゃ悪い?」

そう言いながらも嬉しそうな実弥
満更でもないちひろ

「(こいつらいい頃合いなんじゃねーの?)」

宇髄は密かに思う
その時奥の席から「あー!」と大きな声をあげる客が実弥に近付いてくる

「実弥じゃーん!久しぶり〜!元気してたぁ?」

なんて言いながら後ろから抱きつく女は香水をぷんぷんさせている
眉を寄せるちひろと嫌そうにする実弥

「りかもいたのかよ」
「りか?」
「なぁに?この子新しい彼女さん?」
「...幼馴染」
「へぇ〜」

りかと呼ばれる彼女は上から下まで品定めをするようにちひろを見る

「ねぇ実弥私、今日1人なの一緒に飲まない?ひさしぶりに」

またも抱きつきながら横目でちひろを見るりか

「お好きにどうぞ」

知らんぷりしてビールを飲むちひろにりかは「いきましょ」と実弥を強引に連れて行く

「おい、りか!」
「いぃじゃない!幼馴染の子もお好きになんて言ってるし」

ぷいっとそっぽを向くちひろの表情が読み取れない
実弥は不安だった

/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp