第7章 冬を乗り越える為に
小十郎様と私の間に沈黙が流れて、涙を堪えるのも限界で私は言う。
優美「小田原へと帰ります、お世話になりましたありがとうございましたと政宗様に言ってください」
小十郎様は頷き静かに襖を閉めて、その場に崩れ落ちそうになると慶次君が入ってきて私を抱きしめた。
慶次「思いを伝えられなかったの?」
私は頷き慶次君の胸で泣いていた、私はその優しさに甘えることにした。
次の日
私は泣き疲れ果て起きたら馬の上で、腰から周っている腕をみると慶次君のものだった。
小田原城下に着き馬から、降りて二人で歩く。
慶次は私に笑顔で言う。
慶次「甘味屋に寄る」
えっ? 私はおじいちゃんに会いたいのに、慶次君は引っ張り中に入り椅子に座り定員さんに注文をした。
私はあんまり甘味を食べる気分にはなれないでいた。
俯いていると白玉あんみつが差し出される、好きなものだが食べる気がない。
慶次君は白玉を口に入れて言う。
慶次「優美ちゃんの笑顔に、されられるのも独眼竜だけか」
私は政宗様が怒っていないか不安で、思いをせめて手紙でも伝えたい。
でもそれは小十郎様が反対するから出来ない。
慶次「食べなくてもいいから、待ち合わせ人物が来るまで聞いて俺の話を」
待ち合わせ人物? 慶次君の友達かな?
慶次「優美ちゃんのこと好き恋愛感情で、俺は優美ちゃんの気持ちは知ってるけど言わせて愛してる・・・俺を婚約者にしてくれ」
慶次君が私を好き? 何処を好きになったの?
優美「私のどこを?」
顔を上げると後ろから聞き覚えがある声がした。
政宗「可愛いところ、笑顔が可愛い、美しい姫君だからか? 風来坊? だが俺も同じだ」
後ろを振り返ると政宗様がいた、向かい合うように慶次君の隣に座り言う。
政宗「食べないのか?」
私は笑顔になるなぜか嬉しくて、一緒にいるだけで嬉しい。
甘味を口に入れると政宗様は言う。
政宗「あんまり時間は取れないが、そのうち迎えに行くから婚約者になるためにな」
優美「はい」
私は慶次君と政宗様を甘味屋を出て、送り出し一人で小田原城に帰った。