第4章 恋の花の芽
優実視点
私は町娘の答えを出せなくて夕餉を食べて夜の月は出てはいなかったが、縁側で小十郎様の笛の音色を聞く。
目をつぶると透き通った音色で綺麗だった。
吹き終わり小十郎様は私の隣に座って言った。
小十郎「政宗様から聞きました」
優実「何をです?」
何? 私政宗様に何かした? 怒られるの?
小十郎「舞のことだ、美しいと言っておりました」
優実「ありがとうございます、ですがまだまだ未熟です」
小十郎「未熟でも政宗様の言っていた、表情は初めて見る顔です。 長年竜の右目をしていて初めて見る表情です」
私は昼に町娘が言っていたことが気になった初めて見る表情を見たいから、政宗様の色んな表情が見たいと思ったから。
今日は月は出て居ないから小十郎様に私の顔は見えてはいないだろう、今私は何故か顔が熱をもっているから。
私は小十郎様と部屋に戻り一人になり最近来ていない慶次君に手紙を書いた相談事もあるから。
手紙内容
『慶次君へ
元気? 最近手紙も顔も見ていないから、心配してるよ。
話をしたいことがあるのできれば二人きりで』
短い文を私は次の日足軽さんに頼んで慶次君が来たのは三日後だった。