第1章 本編
「やっときたー!」
「お待たせっ…ごめんね、遅れちゃって」
「仕事だもん仕方ないさ」
打ち合わせが長引き少し待ち合わせに遅れたことを謝りながら、お店へとイッカクと共に移動する。
走った所為で熱くなった体からマフラーを取り、冷たい空気で涼むためにコートの前を開けた。
「私も久々に会うやつらも多くてさ。それにも来るって言ったらめっちゃ喜んでたよ」
「そっか…まだ覚えていてくれるなんて嬉しい」
「覚えてるって、なんたってアンタは…っと、これは言っちゃだめか」
「え、なに…」
「ごめん、気にしないで」
「えー絶対気になる言い方でしょそれ」
「それでもごめんっ。私の命がかかってるんだ。それに免じて!ねっ」
「意味が分からないけど、引いてあげるよ。大人だから」
「でたよ、の"大人だから"」
店へと着き、中にはいれば懐かしい面影のある人達が集まっていた。イッカクが"仲間"と呼ぶ彼らもいれば、どう接点があったのかわからない下の学年だったはずの賑やかな男の子達もいる。
「あ~麗しの先生!また会えるなんて感激で俺は…」
金髪をサラサラと靡かせながら近づいてきたのは隣のクラスだったヴィンスモークくん。イケメンで髭なんか生やしちゃってるが、女性への声のかけ方が当時のままだ。懐かしい。名字で呼ばれることを嫌がる彼に挨拶がてら名字で呼べば面白いほどに打ち拉しがれている。
色気抜群のナイスバディを惜しげもなく披露するナミさんに知的美人に拍車がかかったロビンさん。奥で酒を煽ってるのはロロノアくんか。そして下の学年だが交流が深いのだろう、(名字は忘れたが)ルフィくんとウソップくんもいた。