第1章 本編
彼らと話していれば"くん・さん"なんて、もう学校じゃないんだからいらないだろと言われる。彼らの先生であった名残だが、他人行儀で嫌だとナミさん…ナミに小突かれてやめることにした。イッカクはもう呼び捨てだしね。
「それにしても相変わらずの美人ね。優良物件は見つけた?」
「普通は元気?とか仕事は?とかじゃないの?言葉だけ聞くとお家探しかと思っちゃうよ」
「そんなの二の次よ。将来を見越して見つけておかなくちゃ駄目でしょう」
「相変わらずだね、ナミは」
「あらナミ…には彼がいるでしょう?知らないとはいえ、すでに優良物件は確保済みよ。もう手にしてるのだから安心じゃない?」
「それもそうだったわね。条件だけ見ればとてつもなくハイスペックだものね。羨ましいわ。条件だけだけどね」
「なんの話よ…」
ナミとロビンの話にいまいちついていけない。頼りのイッカクも今は側を離れている。
怪しく笑う二人に寒気を感じ、タイミング良く呼んでくれたシャチに応え、二人と別れてそちらへ避難した。