第2章 第1章 主人公side
『くぁ………ん、』
木陰で寝そべりながら、あくびをする。枕代わりに大きな狼が一匹、寛いで伏せている
『いつもふわふわだよねぇ…』
現在は昼休憩の時間である、いつも通り秘密のスポットでお昼寝中だ
『………すぅ……すぅ』
暖かい風が吹き、ポカポカとした決して強くない陽の光は寝るのに丁度良い
使い魔である彼が少しモゾモゾと動こうがお構いなしだ
?「おーい!ノア~!!」
…これもいつも通り、何でここが分かるんだろうか
『なぁに、カリム。火傷はもういいの?』
機嫌が悪いとは思っていないだろう、そういう奴だ
カリム「ん?あぁ、問題なしだ!ジャミルが対処してくれた」
改めて、コイツはカリム・アルアジーム。熱砂の国の大商人の長男でジャミルがその付き人
『…毎回ジャミルも大変だよねぇ。で?何か用?』
カリム「あ、そうそう。今日新入生歓迎の宴をするんだ!入学式いなかっただろ?」
『…事の顛末は聞いてるけどねぇ』
手短に言うと、異世界から来た魔法を使えない奴と魔獣が乱入してどーたらこーたら…みたいな?
『まぁ、ジャミルの飯が食えるならいいやぁ』
カリム「おー!ジャミルの飯は旨いからな!よし、寮生は全員誘ったし他に誰かいねーかな?」
狼のレイを撫でながら考える。誰が良いだろ
『ラギーとかは?たくさん食べてくれるし』
カリム「ラギーなら誘ったばっかだ!毎回来てくれるんだよな~」
まぁ、ハイエナの子だからな。世渡りがうまいよなホントに
『他に、か。シルバーはどお?』
カリム「お、いいかも知れないな。後で誘おうぜ」
話が一段落した時に、カランと鐘の音が聞こえた。予鈴だ
カリム「おっと、そろそろ行かねーとな!確か…」
『次は星占術でしょぉ、ほら行くよぉ』
カリムのカーディガンを掴んで、歩き出す
カリム「ん?裾なんか掴んでどうした?オレはどこにも行かないぞ?」
『はぁ…ジャミルが居ないときは僕と行動が絶対って約束したよねぇ?』
カリム「おう!」
『そう言うことぉ。勝手にいなくなられてジャミルに怒られたくないし、探すのが面倒だからぁ』