第1章 壊してあげる
「それは良かった」
「え」
「壊してるんです、時雨」
「…………ッッ」
ああなんで、気付かなかったんだろう。
これは。
教授は。
怒ってた。
はじめからずっと、怒ってたんだ。
あたしが雨音と飲みに行ったことも。
そのせいでついた『痕』、も。
教授全部、知ってた。
「ご、めんなさ………」
「…………」
「ごめんなさ、きょーじゅ。」
「時雨」
低く呟かれた一言。
「すみませんが許すつもりはありません」
「………っ」
「時雨も、雨音くんも」
「……ひっ、っぁあああ━━━━━━ッッ」
子宮の奥を重くえぐりながら。
充血するその真っ赤な蕾へとあてられたぶるぶる。
「きょーじゅ、きょーじゅきょーじゅッッ!!やだぁ……ッッ、いっしょやだぁ、やめ…っ、やめてやめてやめてぇッッ!!」
どんなに泣きわめいても。
どんなに叫んでも。
何度達しても。
教授は決して許してなんてくれなくて。
プツンと途切れる意識。
そのまま深い闇へと身を任せたくても。
襲い来る激しい刺激がそれを許してくれない。
結局。
教授から解放されたのは外が明るくなって小鳥のさえずる音が聞こえてから。
あたしはやっと。
眠ることを許された。
後日。
「………教授って、怖いよね」
「俺を巻き込むのだけはマジ勘弁して。死を覚悟したよ、俺は」
「………ごめん」
雨音の右足に巻かれた真っ白の包帯……いや、ギプス。
ついでに顔の至るところはまだ腫れが引いてない。
「あの人絶対、ヤバいよ」
「あたしもそー思う」
【完】