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暗殺者の愛で方壊し方

第3章 失敗は成功のもと




「…………えー、と?時雨さん、これは?」



現在夜の7時。
教授にしてはお早いおかえり。
“今日は早く帰ります“
そう連絡が来たのがお昼前。
で。
思いついた。
教授が驚くこと、しようって。



「見たまんま、ご飯だよ」



だから。
料理の本、買って。
材料メモして。
買って。
何度も何度も失敗して、出来上がった料理…………、とゆーか、残骸。


「ごめんなさい、やっぱり、食べたくないよね」


自分でもわかる。
ハンバーグらしきものは完全に焦げちゃってるし。
ポテトサラダはデコボコしてて全然美味しそうじゃない。
ナポリタンだって、デロデロだ。


はぁ。
とため息ひとつ、吐き出して。
テーブルへと置いた残骸に、手をかけた。


「何してるんです?」
「え」


ぎゅ、て。
後ろから抱きしめられて。
やんわりと外された、残骸に伸ばした手。


「これ、私のためのご飯でしょう?食べていい?」


「いや、でもこれ……っ」


思わず振り向くあたしの唇を、軽く、ほんとに軽く触れるだけのキスをして。
教授が座ったのはいつもの定位置。
そのまま「いただきます」、そう掌を合わせて。
箸を残骸へと、伸ばした。


「教授…………?」

無言で箸と口をひたすらに動かす教授に不安になって名を、呼べば。
おいでおいで、されて。


「き、教授…………っ」


座る教授の横に立った瞬間。
腰をぐい、って引かれて。
教授の膝の上。
いくら暴れても、腰をぎゅっと押さえつけられてて、その上教授の頭が肩へと乗っかって。
完全に動き封じられてる。


「あ、あの教授、ごめんね?ほんと、もうしないから」



初心者さんでも簡単、彼が喜ぶ定番ご飯
なんて。
全然簡単じゃないじゃん。
もうちょっとさ、火の強さはこれくらいとか。
何分焼いてひっくり返して何分とか。
詳しく書いて欲しいんだけど。

「ちょ、待って教授…………っ」

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