• テキストサイズ

【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第6章 トナリ


悟が出張に出てからようやく2週間。
明日の朝の任務を終えたら直帰出来ると言っていた。



「長かった……」



ベッドに散らばる悟の服をかき集め、顔を埋めて匂いを堪能しているとスマホが震え出した。
ディスプレイ画面には五条悟の3文字。
ここ最近はかなり忙しかったらしく、夜に電話が出来なかった。



「お疲れ様!」
「ん。ありがと〜。寂しかった?」
「っ、うん」
「あはは、知ってる。そんな声してたもん。
どう?そっちは変わりない?」
「うん、全然問題ないよ」
「悠二達は?」
「そっちも問題ない。順調に呪力の使い方とか身体の動かし方学んでるよ。
むしろ皆筋が良い」
「さっすが僕の生徒達!」



悟の声はいつもと全然変わらなくて、寂しかったのは私だけなんじゃないかって不安になって来る。
もしかして私重たい?
面倒くさい?
すっかり癖になってしまった悟の服を抱くことは辞めず、通話をイヤホンに切り替えた。
こっちの方が近くに居るように聞こえるから。



「真白なんかあった?」
「ううん、大丈夫だよ」
「……本当?その大丈夫は、大丈夫じゃない気がするなぁ」
「ごめんなさい」
「謝って欲しいんじゃないの。怒ってないから。
ただ僕にだけは隠さずに素直に言って欲しいってだけだよ。出来る?」
「……」
「だぁいじょうぶ、僕はそんなちっちゃいことで怒るような器の小さい男じゃないからさ」



寂しさからか、悟の声がいつもよりも甘く感じる。



「……さ、寂しかった」
「うん、ごめんね。帰ったらいっぱい甘やかしてあげる」
「ほんと?」
「ん、ほんと」
「じゃあギューってしても良い?」
「もちろん。今日は僕の服何枚抱いてるの?
この前みたいに大事そうに抱き抱えてるんでしょ?」
「だ、抱いてない……」



どうしてバレてしまうのだろうか。
この部屋にカメラがあるのでは、と思ってしまう程にお見通しだ。



「嘘つくなら明日抱き締めてあげられないよ?」
「っ、やだ」
「じゃあ何枚?教えて?真白」



低く、囁かれるその声は甘くて私の心がギュッと締め付けられるように痛くなる。
会いたい。触りたい。
その広い胸に飛び込んで思い切り息を吸い込みたい。
/ 156ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp