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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第4章 告白


「っ、なぁ思い出せよ。真白を返せよ」



自身が引き抜かれ、蓋を失ったクチからは液がトロトロと溢れて来る。
鼻につくような独特な青臭い匂いにはこの先も慣れることはないだろう。



「何泣いてるのよ、悟」
「うるせー、今のお前に名前で呼ばれたくねぇ」
「……じゃあどんな人になら名前呼ばれたいの」
「やけにしおらしいじゃん。
もしかして記憶ない状態でも僕に惚れちゃった?」



おどけたように笑う悟。
これは多分上っ面だけの空元気だ。
いつもの優しい笑顔じゃない。



「背中の傷のことは別に恨んでない。
むしろ自分の身を守れなかった弱い私が悪かったの、悟は悪くない。
悟が傷のことを気にして罪滅ぼしで付き合ってくれてるの知ってた。
知ってて何も言わなかった。
だって悟のことが好きだったから、嘘でも悟の隣に居られるのが幸せだった」
「っ、お前、記憶……!」



驚いたように目を見開く。
そんな表情は最強になった今ではかなり珍しい。



「うん、戻ったよ。悟が解除してくれたお陰。
でももう素直になって良いんだよ。
私の傷のことも反転術式のことも気にしなくて良い。
自分を許して、素直になってあげて」
「ばーか。
僕はお前のこと好きだって言った筈なんだけど?聞いてなかったの?」
「うーん、記憶が戻る直前のことは少し頭がぼんやりしてる感じ」



聞いたような、でもそれも夢だったような。
私が勝手に作り出した理想な気もする。



「はぁーっ……なんでこんなこと2回も言わせんのかね。
好きだよ、真白。
罪滅ぼしとかじゃなくて、お前が好き」
「嘘……」
「こんなこと嘘で言えるかよ」



胸がポカポカする。
鼓動はドクドクとどんどん早くなっていき、私の思考を邪魔する。
今私絶対顔真っ赤だ。



「真白、結婚しよう」
「っ、うん!」
「って言ってもまだ家のゴタゴタとかあるしすぐにとはいかないんだけどね〜」
「ほんとそれ台無し、馬鹿」
「今度婚約指輪買いに行こうね」
「うん。ありがとう」



悟の家は御三家と呼ばれる呪術界でもかなり重要な家柄だ。
私の家も御三家程ではないが、それなりの名家である。
五条家との結婚は一筋縄ではいかないのが現実。
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