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【呪術廻戦】溺愛君主は甘やかしたい

第2章 過ち


「ごめん、虎杖くん。ちょっと寝かせて」
「おう!着いたら起こすから大丈夫!」



任務に向かう途中の新幹線。
昨日も結局一睡も出来なくて、睡眠不足だ。
原因は言わずもがな五条悟。
あいつが明け方まで私を、字の如く抱き潰したのが悪い。



「あれ……虎杖くん?」
「お!ナナミン!久しぶり!」



頭の遠くで声がする。
どこか懐かしい、低く心地の良い声。



「こんなところで何を?」
「任務!五条先生の代わりってやつ」
「全くあの人は……ところで隣に居るのは?」
「辻咲先生。俺達の副担任!めちゃくちゃ強いんだぜ。
今は寝不足で寝てんだ、なんか五条先生のせいらしいけど」
「そうですか。どこまで行くんですか?
席ご一緒しても?」
「俺は良いよ!」
「ありがとうございます」



聞き馴染みのある声。
つい先日聞いたばかりだと思うのに、声の主が思い出せない。
やばい、相当疲れてるなぁ。
目的地着いても起きられないかも。
そもそも寝過ごしそう。
薄らとそんなことを考えていると、胸がザワついた。
この感覚、またか。




「ッ……」
「辻咲先生?大丈夫?怖い夢でも見た?」
「……」
「先生?」
「あ、ごめん、なんでもないの」
「そー?なら良いけど。
あ、ナナミンも着くまで一緒に居たいって言うんだけど良い?
俺は人数多い方が楽しいから」
「あ、うん、良い……七海!?」
「お久しぶりです、辻咲さん」



目の前に座っているのは一学年後輩に当たる1級呪術師、七海建人。
色々と仕事で一緒になることも多く、互いに共通の人間に苦労を掛けられている為、話が合う。
私の信頼する呪術師。



「え、ナナミンと知り合い?」
「ふふっ、ナナミン……」
「虎杖くんが勝手にそう呼んでいるだけです。
私は許可した覚えはありません」
「えー、だってナナミンが先生って呼ばないでって言うからぁ」
「はい、私は教職じゃないので。
だからと言ってあだ名で呼んで良いとも言ってません」
「ケチー!」
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