第14章 エンプティ【サンズ】
サンズはピクリとも動じない。
PLAYERとサンズは見つめ合った。
瞬きをする。
時間だけが過ぎていく。
サンズが微睡み始めた。
PLAYERはキスを要求した。
「いいぜ」
固いものが触れた。
唇の柔らかさとは程遠い。
「もっとか?」
PLAYERの顔に次々と、
口付けが落とされる。
PLAYERの首が縮まる。
時々、肩が跳ねる。
PLAYERはソファからずり落ちた。
「どうした?」
ホネの体が冷たい。熱が奪われていく。
サンズは膝立ちになって、
PLAYERの肩をソファに押し付けた。
「ニンゲンよ。オイラは
アンタが望むことなら、だいたい、
何でもするぜ」
サンズの言葉が、
PLAYERには空虚に聞こえた。
サンズのキスは何の葛藤も情熱も無く
余りに淡々としていた。
PLAYERは鈍々と肩から手を離した。
黙って首を左右に振った。