第14章 エンプティ【サンズ】
ホットな酒場を出た後で、
PLAYERの頬は火照っていた。
雪路に二つの足跡が、並んでいる。
PLAYERはサンズの家に寄った。
パピルスは特訓の為、
アンダインの家に泊まっている。
暫くは帰ってこないだろう。
二人はソファに座って、
手を握り合っていた。
サンズの襟元に、
ケチャップが跳ねている。
サンズは気にしていないようだ。
テレビは点いていない。
何方とも何も喋らず、
真っ暗な画面をただ見つめている。
ソファの背凭れから、
PLAYERの背中だけが浮く。
サンズは目を瞑ってリラックスし始めた。
緊張しているのは
PLAYERだけのようだ。
PLAYERの手と対照的に、
サンズの手はすっかり冷え切っていた。
サンズはホネをガタガタ震わせた。
「寒さがホネみにしみるな、
ホネだけに・・・って」
「んむ」
寒いギャグを言うサンズを
黙らせるように、
PLAYERは口を塞いだ。
サンズを背凭れに押しつける。
サンズは基本的に、
自分からは何もしない。
サンズは未だにPLAYERに対して
特別な感情を抱いていないからだ。
両想いになるには、
PLAYERからこうどうし続ける他ない。