第12章 くどく【サンズ】
「アンタは誰彼構わず
モンスターを口説いていないか?」
PLAYERは否定した。
「・・・」
サンズは視線を外した。
「ウソは吐いていないようだな」
「でも残念。いくらリセットして
こうどうを変えたところで、
答えは変わらないさ」
サンズは両手を上げて、
ひらひらと振った。
「何度やり直したって、
オイラはアンタをフり続ける。
分かってたことだろ?」
「じゃあな」
サンズは消えようとした。
PLAYERは腕を掴んで引き留める。
「・・・なんだ」
PLAYERはつかむ力を強めた。
ミシミシッ・・・。ホネが鳴いている。
「よせ、あまり引っ張るな」
「オイラはパピルスと違って
頑丈じゃないんだ」
「There, there.
逃げないから手を離してくれ」
サンズはニヤけたままだ。
しかし、薄らと汗を掻いている。
PLAYERはサンズの腕を離さなかった。
PLAYERは「逃げない」の言葉に
惑わされなかった。
「なるほど、信じてくれないワケだな」
日頃のツケだ。