第14章 互いに欲しかったもの…(宗さに)※R18裏
帰ろうとする宗三に怪しい雲行きになった空を見上げて、その場をすぐあとにした。
香澄がマンションの部屋の前に着いた頃には雨が次第に強く降りつけて、駅へと向かった宗三の事が気になりスニーカーに履き替えて傘を片手に持ち、宗三を追いかける。
「なんで貴方がここに??」
『あの…抜け道で待ち伏せしちゃいました
風邪引いたら大変だから、戻ってあたしのところでお風呂入って行って下さい』
傘を差し出して、歩いて来た道を引き返す。
香澄のマンションに着くと玄関の前まで宗三を通すと…。
香澄は部屋の中へと入りタオルを差し出して、
『少しお湯張りのに時間がかかるから、温かい飲み物いりますか??』
「僕はシャワーで大丈夫ですけどね」
『そうですか?? なら…直接バスルーム向かいますか?』
「それで大丈夫ですよ…シャンプーとかどれを使えばいいか、教えてもらってもいいですか??」
『あっ…そうですね
上がって下さい、こっちです』
「お邪魔します」
『ピンクがシャンプー、ブルーがコンディショナー、この白いのがボディーソープです
身体洗うタオルはこれ使って下さい。
あと着替えと新しいタオルは出して来るので…籠に入れて置いときます』
「教えてもらいありがとうございます」
そう言うと香澄はバスルームから洗面所を出て行くと…ザアとシャワーの音がなる。
兄が泊まりに来た時に使ってた着替えを仕舞って置いたタンスから取り出して、
新しいタオルと着替えを洗面所の指定した籠に置く。
暫くしてシャワーを終えた宗三が出て来ると…
(男物の服??…少し気になりますね)
「ありがとうございました。
あのまま濡れてたら貴方の言うように風邪を引いてしまってかもしれませんね」
『それは良かったです…
でも髪の毛を乾かしてないのは何でですか!?
そのままだと風邪引きますよ』
「いつもお小夜に…あっ、弟に乾かして貰ってるんですよね」
『じゃあ…あたしが乾かしますよ、どうぞ座って下さい』
香澄はドライヤーを片手に宗三が熱さを感じない距離を保ちながら髪の毛を乾かす。
(ふわふわの髪の毛…綺麗なピンク色…)