第14章 互いに欲しかったもの…(宗さに)※R18裏
『遊園地ですか…凄く意外です』
「僕も行った事ないんですけど、知り合いの伝手で、どうしてもって事で…駄目でしたか??」
『大丈夫ですよ、知り合いさんは何が気になってる感じですかね??』
「デートスポットとして、ちゃんと楽しめるか…大人も含むそうです」
遊園地の案内図を見ていると子供だけじゃなく、大人でも楽しめるトリックアートの迷路、種類豊富な体験コーナー、フラワーアートでコーディネートされた花時計や彫刻で作られた立派な噴水が目を引く…。
そしてカップルに特に人気があるというお化け屋敷の文字が目に付く。
『……お化け屋敷ですか…』
「あれっ?? 怖いんですか??」
『いいえ、大丈夫ですよ』
(ほんとは行きたくないし、なんか弱味握られそうで嫌なんだけどな…
何年も前の事だから平気だよね??)
苦手なものがそう克服されてる訳もなく…。
香澄は怯えながら暗い通路を進もうとするが本人が思っている以上に歩幅が進んでいない。
『いやぁあぁ~~、無理っ、ムリ、むりぃいぃ、こっち来ないでぇえぇ!!
………ひぐっ…こわいよ…ぅっ……やだぁ……』
「怖がらないで、僕が居るから大丈夫ですよ…」
悲鳴のあとの瞳に涙を浮かべて、その場に立ち止まる香澄…やり過ぎてしまったと思い、宗三は香澄を引き寄せて胸に押し当てて背中をトントンとゆっくり叩き落ち着くのを待つが一向に泣き止む気配がない。
先に進もうにも進めない状況を打破しようと思って取った行動が…香澄の伏せた顔を起こし顎に手をかけて唇にキスをした。
「泣き止みましたか…?」
『えっ?? あっ…うん』
(今なんか…口にフニッとしたものが、気のせい?)
「無理させましたね、このまま目を閉じてて下さい…
僕が案内しますから、ゆっくり歩いて下さいね…」
『絶対置いて行かない?? 手離さないでね…』
「貴方を離したり置いて行くなんてしませんよ…」
ゆっくり歩みを進めるが目を瞑ってる事もあり中々進まない、時折躓きそうになるところを宗三がフォローをするのだが…。