第13章 この感情に名前を付けるなら…(宗さに)※R18裏
それは突然の事だった。
政府から審神者の交流会と称して、政府が管理する洋館の城を貸し切りにドレスコードで刀剣男士5振りと出席するようにお達しがこんのすけから入ったのが、この1週間前の事で。
審神者は宗三と一緒に行きたいし、自分の選んでコーディネートした燕尾服を宗三に着て貰いたいと胸をワクワクさせていたのだが…。
「宗三が相手役って少なそうだな…、俺の事を選んでくれるよね? もちろんネイルは俺がするからー」
「一緒に可愛いドレスにしたいよね? ボクのヘアーセットでお・ま・か・せだよ!」
偶々近侍である加州と乱の前でこんのすけが発表するものだから、聞いてしまっては連れて行かない訳にはいかない。
綺麗過ぎる宗三を見て、周りの視線に嫌気がささないか…?
…周りの本丸が羨ましいと思われないだろうか?
一緒に行きたい気持ちよりも宗三の反応の方が怖い…。
そう思い宗三には内緒で進めていたのだが…ドレスコードの3日前にバレてしまったのだ…。
まさかあの宗三が食いつくなんて思わなかった、理由を知りたがるなんて…。
残りのメンバーは審神者が決めていいとの事だったので、薬研・小夜・長谷部の3人にも言わないように口止めしておいたのに、こんのすけからバレるとは予想外だった…貢ぎ物の油揚げを譲渡しなかった罰か…詰めが甘かった…。
喧嘩なんかしたくなかった…
宗三と一緒に居たかった…
だけどそれも叶わないかな…
楽しみ半分、悲しみ半分でドレスコードの準備は進めていく…。
***
〈ドレスコード前日の朝〉
「主、燕尾服とドレス届いたよー試着してみる?」
『加州、あれ? これ…ドレスも燕尾服も数多くない??』
「だってさ…それは…宗三と喧嘩してから元気なかったじゃん?
俺の言葉がキッカケだったのかなって思って…」
『…えっ…そんなにあたし、元気なかった??』
「なかったよ!? ネイルの相談しても上の空だしさ…
しかも会ってないんでしょ?」
『うん…喧嘩してから、なんか避けられてる感じがしてさ…』
「あるじさん、明日の予行練習させてよね?
加州さんも手伝って」
『えっ?? 今から?』
「いつまでもそんな顔してたら楽しめないでしょ?
ボクがとびっきり可愛いくしてあげるよ」
加州と乱に言われるままネイルとヘアーセットされる審神者。