第9章 花言葉(薬さに)
「ベゴニアの花言葉は"片想い"と"愛の告白"…って意味があるんです」
(香澄が付けてる香水の意味は…片想いなのか…?
俺から想いを伝えたが、それはまだ届いてない…)
「あとは"幸福な日々"って花言葉もあるんです、これから訪れる未来にぴったりじゃないですか?」
「紫色とピンク色のベゴニアの花束にして1つ、送りたい人が…それっぽく頼むな」
「ありがとうございます、少しお待ちくださいね」
紫色とピンク色のベゴニアを交互に彩りよく飾れた花束へと変えて赤色のリボンを結びつける。
(花束だけじゃ足りないか…乱の言う事に一つ乗ってみるかな…)
***
〈ジュエリーショップ〉
一通りショーケースを見て回り、一つの指輪に惹かれる。
フレームがV字になっていて、そのV字の中央にチェリーブロッサムが両方を挟むようにサイドストーンのピンクサファイアが2個あしらわれていた。
(桜の形が綺麗だな…これなら香澄に似合いそうだ)
「この指輪を8号で、あとこいつと一緒に付けても合いそうな指輪を…俺の指に合うサイズで頼む」
「かしこまりました、お客様の指のサイズをお計りします」
店員が薬研の指のサイズを専用のリングを填めて確認していく。
13号のサイズでショーケースの中から似合うであろう指輪を並べて行く。
フレームの形はV字、ウェーブ、ストレートなど色々並んでいるが…桜の彫刻がされてるストレートの指輪に決めた。
店員は四角い箱に並んだ二つの指輪を見せる。
(どんな顔するだろうか…)