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木洩れ日の休息・短編集【刀剣乱舞/R18】

第9章 花言葉(薬さに)


***

"今から会えるか?"

(さっきまで電話出来てたのに、情けない…声が震えてしまいそうだったからな…俺、落ち着けよ)

"どこで会えますか…?"

"あの噴水の公園でな…"

"私、近くに居るんで先に待ってますね"

ベゴニアの花束を持ちながら、ベージュのタキシードを身に纏った薬研が香澄の前に立つとゆっくり語り始めた。

「不安を感じとれなくてごめんな?
ベゴニアの花言葉は片想い…その香澄の想いを変えたくてな…

俺と結婚してくれないか…」

『えっ……私なんかでいいの?』

「ベゴニアの花言葉はもう1つあってな、愛の告白してるんだ…
香澄じゃないと駄目なんだ」

『嘘だ…、だって私見たもん…薬研くん…街中で綺麗な女の人と腕組んで歩いてた…
私だからフラれるんだと思ってて…』

「そいつは誤解だな…あれは、乱だぜ…?」

『へぇ!? 電話越しは男の人だったから…どう見ても女の人にしか見えなかったもん…話声は聞かなかったし…』

(薬研くんが私を選んでくれた…嬉しいよ…)

香澄の瞳から一筋の涙が…そんな香澄を抱きしめて薬研は言葉を紡ぐ。

「俺の名前を呼んでくれよ、香澄」

『薬研…藤四郎…』

「ずっと一緒に居ような、離してやらない…」

『ねぇ…私の名前を呼んで…』

「香澄…愛してる」

『私も薬研の事を愛してる…』

香澄の涙を指で拭い取り、深い口付けを交わすと…四角い箱から指輪を取り出して互いの左薬指へと填めていき…永遠を誓う…。

…完…
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