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木洩れ日の休息・短編集【刀剣乱舞/R18】

第28章 ふたつの恋のシグナル(宗さにメイン)後編・その2※R18裏


彼女の意識を無くなり始めてるのを、この甘い甘い時が終わりが近づくのを感じて、僕はこの言葉に込めた…

「僕の事を信じて…待ってて下さい…」

貴方は覚えてない
この言葉は届いていない…
乗り越えないと行けない壁があるとするなら…
これまで彼女を大事に育てた両親に絶対に反対されるから、愛情の源を注いでくれた、簡単にはいかないことぐらい察しはついた。
それでも"待っていて欲しい"と願いを込めた
僕も貴方を諦めたくない…
側に居たいと思う相手に出会えたのだから…。


薬研と秦さんを送り届けて、まだ寝ている貴方の身体を軽く絞ったタオルで拭き、彼女の荷物から下着を取り出して身に付けると…着脱が多少は楽なワンピースを着せる。
身支度は誰にも見せたくなかったから一人で、時間は掛かるけど…。

眠ってる彼女を抱えて、長谷部が代わりに運転手になった車へ、後部座席で自分の膝枕に彼女を寝かせながら、ホテルまで送り届けて…眠り続ける貴方に口付けをして、目が覚める前に去った…。

僕は貴方を受け入れると決めたその日から密かに行動をしていた。

学校に登校する日…絶対に貴方と会わない日を狙って、香澄の両親と会う約束をしていた。

僕は忘れてた…方向音痴だった事を…
いつも頼りにしてる長谷部も居ない…
かなり迷いやすい入り組んだ道になっていて、進むのを躊躇してしまった。

家の近くである公園のベンチで一人途方に暮れていた。
その公園のわきにある道を、目の前の中学校の制服を着ているカップルが歩いていて。

おかしいですね…まだ授業がある時間ですよね…?

「陽二くん…私一人で帰れるよ?いつも一人で留守番してるし…」

「いつもそう言って体調悪いのに隠すだろ?
無理したら駄目だって…オレの事は気にしなくて大丈夫だ」

彼はもしかして彼女の弟なんじゃ…

そう思うとベンチからわき道に移動して彼らが目の前を横切ろうとする時に声を掛けた。

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