第28章 ふたつの恋のシグナル(宗さにメイン)後編・その2※R18裏
『……はっ、……あっ…ん…』
宗三は香澄の顎を固定してグイッと持ち上げて、唇に熱烈なキスをされると、クリスマスの日を思い出して熱く疼き出した香澄の身体に、美術に用いられる広々とした机が背中に感じると、逃げ道は完全に塞がれて受け入れる。
須美佳や薬研が探しに来ないか心配になりつつも、その考えは甘い時間の方が上回ってかき消された。
その一方で一足先に卒業してしまう須美佳は、モテる薬研と離れてしまう事に不安を覚えながら言い出せずにいた。
「須美佳先輩、卒業おめでとう…」
「薬研くん…ありがとうございます…」
「そんな顔しなくても…少しの間…離れるけど、俺は絶対に須美佳先輩しか見ないし…みんなが居るココで誓うぜ」
「へっ??」
「俺が学校卒業して就職して…仕事が安定したら…俺の奥さんになってくれないか…須美佳…これは予約の証…」
四角い箱の中からキラリッと輝く指輪を取り出して左手の薬指にスッとはめる。
「………こんな私でいいんですか…?
…私より素敵な人が薬研くんの前に現れるかもしれないし…こんな何も取り柄もない私で…」
「須美佳のそういう自信のなさはさ…この周りの奴ら見てから言ってくれよ?」
「…………っ!?」
そう言って須美佳を抱き寄せると周りに見せ付けるように唇にキスをすると…
須美佳を目当てに告白出来ずにいた落胆して行く男性陣とキャー!!と悲鳴を上げる女性陣で周りは阿鼻叫喚した。
二人の関係が先輩後輩じゃなく恋人同士の結婚を誓い合う仲だと分かり…周りに馴れ初めだ、なんだと色々な質問攻めに合い
須美佳と薬研はその場を動けなくなり、心配していた香澄の事は頭の片隅に消えていた。
***
美術室での甘い行為が一段落すると、少し乱れた身支度を整えながら…
『先生…宗三は…あたしに会えない時に寂しくなかった…??』
「寂しかったですよ…」