第27章 ○○しないと出れない部屋(後家さに)※R18裏
香澄の顎に手を掛けてクイッと見上げさせると…後家の顔が近づきと香澄の唇にチュッと軽く音を立てて…すぐ離れていく…。
『……んっ……はぁ……///』
「おやすみ…」
『おやすみなさい…兼光…大好き…』
後家は香澄の背中に腕を回してトントンッと一定のリズムを刻みながら…お互いの体温を感じ…寝息と共に眠りついた。
***
翌日
長義が本丸に訪れると…香澄の姿を見るなり…盛大にため息を吐いて何か言いたげにしていたが…。
今はそれをどうこう言ってる時間が惜しいそうで…。
「これから麗香の元へ向かうが…準備はいいか??」
『はい…お願いします』
覚悟は決めた筈なのに手がカタカタッと震えていて…。
香澄は両手を祈るようなポーズに変えて震えを静めようとするが…なかなか言うことを聞いてくれない…。
その香澄の両手を包み込むように後家が自分の手で覆い被せた…。
「キミの事はボク達が守るよ…」
「そのために強くなってきたんですよ…あるじさま」
「俺も大将の事…守るぜ」
「君達なら大丈夫そうだな…」
五虎退と薬研も後家の手の上に覆い被せて誓いを立てる形になったところで、その様子を見ていた口角だけあげる不適な笑みを浮かべて長義は、手に持ってる玉を翳すと…光がその場を包み込み…香澄達4人はその場から居なくなり…。
光が無くなり辺りを見渡すと…1ヶ月しか経っていないのに懐かしさを感じる…本丸に着いていて…。
麗香が居るであろう…大広間に向かう…。
そこには麗香と姫鶴は寄り添うように肩を並べていて…二人では部屋の広さが合っていない…。
逃げ出した香澄達の姿の中に…後家の姿を見ると麗香は驚いた表情を浮かべて…。
「なんで…!?後家兼光が香澄姉さんのところに…顕現出来なくて…捨てたはずなのに…」
『私達…麗香の近くに居たんだよ…気付かれないように隠れてたけど…』
「今居るのは"あるところ"で生命をもらったから……で、キミが欲しかったのはボクじゃなくてコレじゃない??」
そう言って後家は懐から勾玉を取り出して、自分の掌の上にのせて麗香の方に見せる…。