第27章 ○○しないと出れない部屋(後家さに)※R18裏
その日の夕方…
食事を終わらせた時に五虎退がモジモジとしながら香澄に話しかける。
「あ、あるじさま、その…お話が……
僕…修行いきます…」
『五虎ちゃん…なんで修行の事を…いいの…??』
「…僕…ずっと山姥切さんやあるじさまに守られてきたんです…
だから今度は…僕が守る番です」
『……分かった…いつ行くの??』
「きょうの夜中いってきます…僕…にげたくないんです…」
『必ず帰ってきて…待ってるね…』
月が綺麗に見える…雲一つない空の下で夜中にも関わらず…五虎退を見送る為に三人の姿が…。
『いってらっしゃい…五虎ちゃん…』
「修行か…」
「帰りが楽しみだな…」
「いってきます…あるじさま
ごっちんさん、薬研兄さん…僕が居ない間…あるじさまの事…おねがいします…」そう言うと旅装束を身に纏い…旅道具を持った五虎退は光に包まれるとその場から居なくなると…。
本丸の中へ入り…各自室で寝る事になる…。
香澄はこの本丸に来てから五虎退と一緒に眠っていた…一人で寝る事に違和感を覚えた…。
……眠れない…。
五虎ちゃんじゃなくて私の方が一人じゃ駄目なんじゃないかな…。
厠へ向かい…ふと後家の部屋を見ると灯りが漏れていて、香澄は思わず扉を叩く…。
「……キミか、どうした…??」
『五虎ちゃんの為に一緒に寝てたはずなのに…私の方が寝れなくなっちゃった…』
「……え??……うーん、五虎退くんが帰ってくるまでボクのところで寝る??」
『……そうさせてもらおうかな』
「じゃあ入って……」とそう言って襖から布団一式を並べると各々の床に就寝する…。
一人じゃないという事に安心した香澄からすぐに寝息が聞こえると…後家は自分の発言に少し後悔しつつも深く考えるのを止めて寝つく事にした…。
その翌日の事だった。
香澄は五虎退が帰ってくるまで神社に通いたいと言い出す…。
結界内には小さな神社があることを以前五虎退から聞いていたのを思い出したからだ。
でも香澄一人ではいくら結界内とはいえ危険な事が起きないとも限らない…
そこで後家が護衛付きならという条件で行く事になった。
神社へ辿り着くと五虎退の修行帰還を祷り終えると本丸に帰り五虎退から送られてきた手紙を読みながら帰りを待つ…。