第27章 ○○しないと出れない部屋(後家さに)※R18裏
香澄はいつも二人で寝てる五虎退の暖かさに身体をくっ付ける癖がある…。
それは無意識で…隣に居るはずの五虎退へと向かうのだが…。
五虎退ではなく…後家の身体であり…寝ている香澄は気づく筈もない。
後家はフッと感じた背中から暖かさに目を覚まして…後ろから抱き付かれているのが香澄だと気づき…布団の中で静かに葛藤する…。
自分とは違う身体の柔らかさ…甘い匂い…
五虎退くんはこの温もりで安心出来てるのかな…
翌日…朝方6時ごろ…
香澄が目を覚めた時に包み込まれるように抱きしめてくれる相手が五虎退ではなく…後家である事に気がついた…。
驚きを隠しながらまだ寝息を立てている後家の腕をほどくと…身支度を整える為…そっーと後家の部屋をあとにする。
香澄の様子を狸寝入りし…そのまま寝る事が出来ずに一夜を過ごした後家は小さくため息を残すと寝直すのだった。
治療の部屋に薬研は一人で「結局来なかったぜ…」と声を掛けてくれた。
『ありがとう、薬研くん…寝てきていいよ』
「じゃあ少し寝かせてもらうな」そう言うと薬研は治療の部屋から出て行った。
まだ自室で眠っている薬研に五虎退と後家は見回りに行っているのを見計らったように政府からの使者…長義が現れたのはお昼過ぎたころだった…。
「後家兼光…やっと来たか」
『長義さん、彼が??』
「そうだ…でも後家だけじゃ足りないものがある…上杉の刀には修行が必要…」
『……五虎ちゃんを…修行に出さないと駄目なんですか…??』
「本人の意志が必要だろ…考える時間は三日までだ
今は後家兼光の存在は気づいていないが…長引けば気付かれる確率は高くなるだろうな」
『…分かりました』
「あっちの本丸の監視もあるが…俺はこれで失礼するよ…」
『あの…麗香は…元気ですか…』
「……あぁ、ほとんどの刀剣男士が石化してしまったがな
戦場には連れて行かず根兵糖に頼ってるがそろそろ底も付きそうだが…姫鶴の傍を離れない…」
『……それはあまり猶予はないですね』
やっぱりそうか…戻ってくれるなら…
一日でも早い方が…麗香を傷付けないのかな…
と少し落ち込みガクッと肩を落とした…。