第27章 ○○しないと出れない部屋(後家さに)※R18裏
「あるじさま…これ、虎くんたちが…ひろって来たみたいです…」
『……見たことない刀だけど…これをどこで??』
「あの…虎くんたちが結界の外に行っちゃってて…」
『えっ!?虎くん達の怪我はしてない!!五虎ちゃんも大丈夫!?』
「…僕は結界の外に行ってないのでだいじょうぶです…虎くんも見た感じ…だいじょうぶだと…」
『そう…何ともなくて良かった…でもこんな事しちゃ駄目だよ…?』
「ごめんなさい…」
メッ!と叱ったあとに五虎退と虎の頭をふんわりと撫でる…。
『刀は私が預かるから、薬研くんのところに行っておいで…帰りが遅くて心配してくれてたから』
「わかりました…」
錆びた刀と共に治療の部屋に行くと…香澄は水を染み込ませて絞った布で丁寧に拭くと錆びが少しずつ無くなっていく様子を見て、嬉しくなり治癒力を少し込めてみると…。
パッと刀から光を放ち…目の前に刀剣男士が現れた。
「ボクは後家兼光。キミが新しい主? 戦う条件はお腹いっぱい食べさせること。あ、ボクじゃなくて、上杉の刀に」
『…ひえっ…!?私…顕現する力は持ってないのになんで…??』
「あー……それはあとで詳しく説明するけど、逃げてきたんだ…ボクをここに置いて欲しいんだ…駄目かな…??」
『……構いませんよ、でもここには私と二人の刀剣男士しか居ないので…それでも良ければ』
「ボクは大丈夫だよ、キミの力になりたい…」
『…ありがとう、これからはよろしくね…後家さん』
場の雰囲気が和らいだところに聞き覚えない香澄の悲鳴に慌てた様子の五虎退と薬研が入ってくる…。
「…あるじさま、なにかありました…??って…ごっちんさん!!」
「五虎退くん!!助けてくれてありがとう、あの刀…ボクだったんだ」
「そうだったんですか…僕、役に立ててうれしいです…」
頭をわしゃわしゃと撫でられながら五虎退は気がつく。
「あっ、ごっちんさんは虎くんのせいでクシャミが…」
「それは大丈夫みたいだ、ボクは少し耐性があるのかも…」
「…じゃあいっぱい一緒にいてだいじょうぶなんだ…」
パアッと嬉しそうに笑う五虎退に視線を送りつつ…隣に居た薬研が話終えたのを見計らい声を掛けた。