第27章 ○○しないと出れない部屋(後家さに)※R18裏
「………偽物くんの予想が正しかったか…、いつ現れるんだ…」天を見上げて息を吐く…。
香澄達の目の前には以前居た時の本丸より小さめな本丸がそこにはあった…。
本丸の中に入り…居間に座り落ち着いたところで香澄は顕現したばかりの薬研に今までの経緯を話すと…少し複雑そうな顔を浮かべるが…
香澄の話を聞き終わって五虎退の頭を撫でながら「大将の事よく守ったな…これからは俺も一緒だ…」薬研はそう言うと少しパアッと明るくなり嬉しそうな五虎退。
結界の中とは周辺の状況を確認する必要があると考えた香澄は一日一回でいいので周辺の見回りをする事を…果物や山菜などその日の食べる分だけ収穫する事を五虎退と薬研に命じた。
香澄の治癒はいつ傷ついた刀剣男士が送られるか分からないので、出来る限り治癒の部屋にある門の前で待機をしていた。
そこで初めて気がつく事があった本丸を離れてからの香澄の治癒力は劣ると…古傷は完治する事が出来ず…出陣して受けた傷は大小に関わらず…完治させるタイムリミットは24時間が基準らしい…それを過ぎると治癒は出来ても傷痕として残ってしまう…。
傷ついた刀剣男士を癒す時に次に来る時には夜でも構わないので早く診せて欲しいとお願いしてしまうほど…。
当の本人は出血が止まれば良いという考え方なのだが香澄は納得してない様子と圧に負けて渋々承諾してしまうのだった…。
そして三週間後…歯車を動かす出来事が起こる。
本丸の周囲を見回りしてる時…突然駆け出して行ってしまった5匹の虎達を追い掛けて探し回る五虎退。
「虎くんー??どこー??」
〈……グルっ〉
じゃれ合ってる虎達を見つけてホッとしたつかの間…周りの空気がいつもとは違っていて結界の際まで来てしまった事に…運悪く虎達が居るのは結界の外である事に気がついた。
「こっちにおいでー帰ろう…」
五虎退の呼びかけてもすぐに駆け寄らず…何か引き摺り運ぼうとしている虎達…。
「……??」五虎退はギリギリまで結界に近づくがよく見えない…。
やっと虎達が結界の中に入ってきたので咥えた物を拾うと…自分と同じぐらいの錆びた刀だった…。
不思議に思いつつも何か懐かしい感じがした五虎退は錆びた刀と共に本丸に持ち帰る。