第27章 ○○しないと出れない部屋(後家さに)※R18裏
山姥切の額に御札を貼り終わると…今にも泣き崩れそうな麗香は一瞬揺らいだあと…時間をズラして予め呼んでおいた刀剣男士を部屋に迎えいれて相手に問い掛ける、自分を必要とするのかしないのか…選択を迫る…。
香澄達は本丸の門の前まで走り抜けてきた。
その時…雲一つない空が二つに割れて隙間から眩い光を放ち…香澄達を包み込むと…光が無くなると本丸から三人の姿は消えていた…。
目を開けると…そこには一人の刀剣男士が居て…「俺は山姥切長義、まったく…君のところの偽物くんは俺を困らせたいのかな…?」そう言うとため息を漏らす。
『……山姥切って…』
「君達の本丸を監視してたんだ、だから説明は不要…ただ君の選択を聞こう…」
『……私は…麗香が選んだ道で…』
「もうあの本丸に戻れなくてもいいんだ…へぇ…」
『………』返す言葉が見つからず、唇と拳をギュッと締める香澄。
このままでいい筈がない…帰りたい…でも麗香と争う事は避けたいけど…どうしていいのか分からない。
「君が望むなら、まだ諦めるのは早いけど…ただ時期がまだ早いみたいだ…」
『あの、私を"他所の本丸"に置いてもらえませんか??傷を治すだけしか出来ないけど…』
「そう言うと思ってたよ…君の癒す力は希少だから
君達の居た本丸の隣に結界付きの本丸をこちらから用意する…
傷ついた刀剣男士は他所の本丸から門で繋がるようにしてある」
『でも麗香の本丸の隣に私が居て大丈夫ですか…?』
「結界は刀剣男士を通さない、襲われる心配はない…だが五虎退と薬研藤四郎が本丸に戻りたいと思っても戻れないんだ…」
「僕はあるじさまと薬研兄さんと一緒なら大丈夫です…」
「勝手に付いて来ちまったのは俺だしな、大将と一緒に居るさ」
『ありがとう…五虎ちゃん、薬研くん』
「いつ戻れるかは俺にも分からない…でもあの本丸の監視は続けてる」
『分かりました、結界付きの本丸に連れて行ってもらってもいいですか?』
「何かあったらこれに念じるか…呼びかけてくれ…力になれるようにするから」
『ありがとうございます、長義さん』
長義から数珠を受け取ると香澄はそのまま腕に身に付けると、光を放ち出し…三人の姿は居なくなった…。