第27章 ○○しないと出れない部屋(後家さに)※R18裏
そして和臣の死から2年後…。
香澄と麗香は時の政府の者に案内された場所…再び和臣の本丸が動き出す…。
床の間の刀掛けの台にある二つ分の刀を香澄と麗香が各々に手にすると…刀に貼ってある御札を剥がすと…香澄の前には五虎退が、麗香の前には山姥切国広が立っていた。
「あたらしい…あるじさま…?」
「和臣の娘…二人も居たんだな…」
『お父さんから話聞いてくれてたんだね…五虎ちゃん、山姥切さん
私は香澄…こっちは麗香…』
「………」
無言のままでペコッと頭を下げる麗香に対して慌てて『自分からあんまり話するタイプじゃないけど悪い子じゃないから…よろしくね』香澄はそう言うと麗香に目線を送るが本人は気にしていない様子に気まずい空気が流れるが部屋の周りを見渡しながら五虎退。
「あっ…みんな…まってると思うんです…起こします??」
「…あんた達を守る人数が多ければ多いほど守るに越した事はない」
『……じゃあ皆を起こして復帰お祝いで美味しい物…食べます??』
五虎退と山姥切は頷くと、香澄と麗香は一つずつ刀の御札を剥がしていき…次々と刀剣男士が顕現されていく。
その中で麗香がある刀の前で御札を剥がさずにジーッと見つめると…。
『どうしたの…?麗香…??』
「……とっても…懐かしい気配がするの」
そう言うと麗香は御札を剥がして顕現された刀剣男士"姫鶴一文字"を見るなり…涙を浮かべて抱き付き…「……お父さん……会いたかった……」と姫鶴にしか聞こえない小さな声で呟いた。
香澄は麗香が何を呟いたかは聞こえなかった…でも麗香の行動…懐かしい気配…と和臣の背格好も長髪だった事も姫鶴と似ている…違うといえば銀髪じゃない事ぐらいだろう…。
新しい主の行動に驚きつつも姫鶴は嫌とも言わずただなすがまま…麗香の体に腕をまわして、子供をあやす様に頭をポンポンと撫でたりして落ち着くのを待った。
この姫鶴との出会いが麗香の歯車を動かすキッカケになるとは誰にも想像出来なかった…。
復帰祝いの会は香澄が言い出した事もあり麗香も渋々その場に居る事にしたが…食べ終わると麗香自身は姫鶴以外の刀剣男士と喋ろうとせず自室に引きこもる日々…。