第24章 ふたつの恋のシグナル・中編(宗さに・薬さに)R18
帰り道は行きと一緒で車を10分ほど走らせると帰って来れた。
玄関で三人を降ろすと車で車庫に向かう宗三を見送ってから居間に向かう。
少し遅れて居間に来た宗三はこう尋ねた。
「少し身体が冷えましたよね??
部屋のシャワーじゃなく温泉入りますか??」
『えっ?ここ温泉もあるの??
須美佳ちゃんと一緒に入れるね』
「一緒に入りたいね」
「……宗三、温泉って…あそこだよな??」
「……えぇ、薬研は知ってると思いますが混浴ですね」
『あたし水着とか持ってないよ!?』
「えっ!?香澄ちゃん……その、一緒に入るつもりなの??」
『……今のそういう流れじゃなかった??』
焦るよりも香澄の着眼点に笑いが止まらずクスクス笑いながら宗三は言う。
「……ちょっと意地悪が過ぎましたね、混浴ですけど時間を決めてしまえば一緒に入る事はないですよ
入浴時間を15~30分交代で脱衣場は男女別なので早まったりしたら出入口で声を掛ければお互いにばったり会う事はないでしょうし…」
『じゃあ着替え取って来ようか』
「そうだね」
「居間で待ち合わせましょうか…場所を案内します」
パタパタと階段を駆け上がって行く二人を見送ると。
「宗三……俺の事、からかってるだろ??」
「……少しだけありますけど、身体が冷えてるのは事実なので…薬研も服を取りに行かないんですか??」
「ったく…行けばいいんだろ…はぁ…」
少し遅れて階段を登って行くとそれを見送る宗三。
須美佳は部屋のドアの隙間にある封筒を手に取ると"秦さんへ、部屋の中で誰も見られないように…寝る前に開けて下さい、宗三より"と書かれていた。
とりあえず辺りをキョロキョロすると封筒と共に部屋の中へ入り、着替えを準備して部屋を出ると香澄が待っていた。