第24章 ふたつの恋のシグナル・中編(宗さに・薬さに)R18
「私も香澄ちゃんの全面的に気持ち伝えてくれるの…すごく嬉しいよ」
「如月さん、秦さん、今日は二人とも絵は描かないで下さいね」
『……左文字先生、それって本気!?』
「えっ……そうなんですね、分かりました」
「本気じゃないと言わないですよね?
二人とも順調そうなので1日休息も必要かなと思いまして…」
『そんな…水彩画まだ描けてないのに…』
「……僕から見るといつもより描けてますって何度言っても分からないようなので強制しますよ」
『…うぅ…分かった、描かないから』
「香澄ちゃん、落ち込まないで…」
『でも左文字先生、今日は何をするの??』
「そうですね…息抜きも必要だと思うのでここに居るとやっぱり絵を描きたくなると思うので…4人で少し出掛けますか」
「それでどこに行くんだ??」
「着いてからのお楽しみという事で…出掛ける準備してきて下さい
僕は車を出して来ますので」
そう言うと宗三は一人で玄関の方へ向かって行く。
「如月先輩、秦先輩、俺はここで待ってるぜ」
『じゃあちょっと行って来るねー』
「荷物取りに行くだけなので少しお待たせしますね…」
香澄と須美佳は一度部屋に戻り出掛ける準備を済ませたところで薬研と合流し、玄関に向かうと宗三が運転する車が待っていて3人は車に乗り込んだ。
10分ほど車を走らせると大きな施設が見えてきて、広い駐車場があるのに一台も止まって居ないのが不思議な感じがした。
「ここって…懐かしいな」
「薬研は何度かありますよね…僕も久しぶりですよ」
香澄と須美佳は二人の会話に頭の中で?マークを浮かべる様子をみていた宗三は…。
「中に入れば分かりますよ…」
そう言われると施設の入口の自動ドアが開くと、受付台はあるのだが店員が一人も居ないのが不思議だったが。
受付の後ろの棚にはスケート靴がずらりと並べられていて…一部の棚はハンガー掛けには撥水加工のウィンドブレーカーの上下まで揃っている。
『……ここってスケート滑れるの??』
「…そうですよ、ここは僕の兄が経営してるので特別貸切にしてもらいました」
宗三は無人の受付へズカズカと入って行く、自分のサイズのスケート靴を手にしてる。