第24章 ふたつの恋のシグナル・中編(宗さに・薬さに)R18
昼と夜では左文字先生の漂ってるオーラの違いに気がついた…。
昼は身体からほのかに香る甘い…夜は色っぽさが増してる…
白い肌のきめ細かさ…透明感さえ感じてしまう…
油絵で表現出来ない事だから、これを水彩画で表現出来たら…左文字先生は認めてくれるかな??
出来ない頭でフル回転させて…どうすれば…繊細に描けるか…
時間をたっぷりかける…それしかあたしには選択肢が残されてないように感じた…
油絵は誤魔化しが効く、水彩画の方が失敗は許されない…
気が抜けない…研ぎ澄ませて…
左文字先生を描かせて…大切な人を大好きな人を…喜ばせたい…
だから筆を走らせる…
少しずつ確実に…終わらせる
その気持ちだけで今は十分描そうな気がするから…
「本当にその集中力を早く出して欲しかったですね…」
『……左文字先生!?声かけるの近いよ…』
「こうでもしないと気が付かないんですよ、貴方は…もう時間なんですよ」
『……全然、分かんなかった』
「はぁ……終わった時に声を掛けるしかなさそうですね」
『そうしてくれると…助かるかも
左文字先生も疲れてくるよね…?』
「でも昨日も言いましたけど良い物が描けてますね…水彩画描くペースも早いんじゃないですか…」
少しずつ自信をつけてもいいかな…。
あたしは本気だよ…いつ応えてくれるの…左文字先生…。
***
12月23日
11時ごろに居間に向かうとテーブルには[献立:秋刀魚の塩焼き・だし巻き玉子・あおさのお味噌汁・ご飯]がもう準備されていた。
食事を終えると宗三は昨日須美佳が描いた水彩画を確認しながら
「モデル無しでもいいって言ってもそうしないのが秦さんらしいですね…」
「香澄ちゃんが頑張ってるのに私だけその違うのはなんか嫌だったんです」
『須美佳ちゃん…優しい…そういうところが好き』
そう言うと香澄は須美佳に駆け寄り抱きつく、仲がいいなと薬研と宗三は見守ると。