第20章 恋から愛に変わる時に…・後編(宗さに)※R18裏
「なんで??香澄ちゃんこんなに綺麗になってるのに…勿体ないな…」
『ありがとうーお世辞でも嬉しいな…
壇くんもあたしより良い子に絶対見つかるよ
あっ、ちょっとお手洗い行って来るね』
「ここのお店出て、右の通路にあるから」
『うん、ありがとう』
バーテンダーが近寄りがたい話の内容だったので用意出来たお酒を出さずに待っていたのだが…。
ドライベルモットを2つ置くとバーテンダーはまたその場から離れていく。
(ずっと見てきた…御曹司が来る前からずっと…なんでオレじゃないんだ?オレの気持ちを踏みにじりやがって…許さない…絶対に…)
壇は背広のポケットの中に手を伸ばすと白い粉末の入った袋から香澄のグラスに粉末を注ぎ入れる。
その壇の姿を陰からじっーと見ていた人影を除いては…。
少しのつもりが久しぶりのお酒で酔いが回ってきたのだろうか…?
あっという間に思っていた以上に時間が経っていた。
宗三の話を他人にすると会いたい気持ちになるがそれを抑えつつお手洗いで宗三に送る帰宅メールの下書きしているがBARのお店が地下とも合って電波が安定しないのでメールの送信は諦める。
なかなか香澄から連絡が来ない…。
居酒屋一件ぐらいだったらこんなに時間はかからないはず…嫌な予感がする…。
橘社長のある言葉を思い出す、香澄に好意を寄せる男が居てもおかしくない。
「長谷部、今から香澄を探しに出ます…車出して下さい」
「はぁあぁ!?いきなり何言い出すんだよ!!
仕事たまってるんだぞ、分かってるのか」
宗三のスマートフォンから"ある名前"が表示され電話に出る。