第20章 恋から愛に変わる時に…・後編(宗さに)※R18裏
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大きな仕事のプロジェクトチームでそのチームリーダーとして白羽の矢が立った香澄の仕事量は倍に増えていた。
1週間も有給休暇を取ったからという負い目もあり引き受けたのだが、私生活は自炊を辞めて惣菜に頼り…手抜きの食事とお風呂を済ませて家に帰っては寝る生活になってしまった。
その頃、宗三にも香澄と同じく大きな仕事を香澄の勤める会社とは別の会社との商談があり、忙しさに拍車がかかった。
お互いの仕事があるので無理せず…会う事を控えてすれ違いの中で会いたい気持ちを抑えつつ…互いにメールだけ送りあっていた。
《あたしの方の仕事は落ち着いた。
宗三の仕事が落ち着いてたらまたあたしの家から仕事に行けないかな??
って思ってメールしてみたの…。
返事は急がないから待ってるね》
〈お疲れさまです。
こっちはまだ落ち着きそうにありません…
早く貴方に会いたいです…〉
《分かった…あたしも会いたいよ…
今日その仕事が終わったお疲れさま会をチームでするから行ってくるね》
〈また家に着いたらいつも通りメール下さいね。
貴方が家まで帰ってるかどうか心配です
あまり呑みすぎないように…〉
《呑みすぎないようにするからあんまり心配しないでね
行ってくるー》
メールを切り上げて、チームで決めた待ち合わせ場所に向かうとそこには香澄の同僚である"壇秀司"しか居なかった。
『なんで壇くん一人なの、他の皆は??』
「香澄ちゃん来てもらったのにごめんね…
今日みんな都合悪くなったみたいなんだよ…
でもお店は予約してるから二人で居酒屋さん行こうか?」
『そっか、あたしは二人でも大丈夫だよ
せっかく壇くんが予約してくれたんだし』
半個室になってる居酒屋で、とりあえず2杯分の生ビールを頼んだ。