第20章 恋から愛に変わる時に…・後編(宗さに)※R18裏
「如月さんの事で、相談と言いますか…
本人の承諾はまだなので内密にして貰いたいのですが…彼女を僕の会社に引き抜きたいんですよね」
「それは構いませんよ」
「…えっ??意外ですね、もっと引き止められるかと思ったんですが…」
「左文字社長に敵うはずないじゃないですか…
どんな事しても如月を欲しがると思いまして、違いますか??」
「……違いませんね、それで如月さんは今日どこにいらっしゃいますか??」
「やはり如月の事でしたか、今日急な有給休暇を申請されて出社してないんですよ、期間は1週間ほど理由は聞き取り出来てませんので左文字社長のところかと思ってたんですが…」
「…有給休暇ですか、分かりました…
僕も見当がつかないです…体調不良かもしれないので一度会いに行っておきます」
「不安ですか?如月は優秀ではありますが…
抜けてるところがあるので…本人は気付いてないようですが…」
橘の言葉に眉をひそめて、なるべく平静を装いながら言葉を返す。
「橘社長……引き抜きの話、少し早くなりそうです…心しておいて下さい」
「おやおや、余程好いていらっしゃるんですね」
「……彼女の為なら僕の持っている全てを手放しても構わないんですよ
何か引き抜きで都合が悪ければ、僕に出来る事であれば仰って下さい…
では急ぎますので失礼します」
橘社長との話を切り上げると宗三は社長室から足早に立ち去り、駐車場で待機してた長谷部が待っている車へ乗り込み香澄のマンションまで向かう。
***
部屋の前まで行き、合鍵を使って恐る恐る中へ入ると…聞き覚えのある香澄の声と聞き覚えのない甲高い話し声が聞こえる。