第19章 猫と彼とアタシの恋模様(肥前さに)※R18裏
「僕としては謎が一つ増えたんだけどな…果たして相手が肥前くんじゃないと駄目なのかどうか…知りたいところなんだけど」
「わしが相手になっちゃろか??」
『にゃっ!?
(ヤダ…忠広くん以外…触れて欲しくない)』
南海が抱いている猫(香澄)を陸奥守が抱き上げると、顔を近づけていく…。
口ではない肉球が陸奥守の口元に触れると、肥前が猫(香澄)を取り上げてる。
「こいつはおれが責任持って飼ちゅーき、勝手な事すんな…」
『にゃあ…にゃー(助かった…)』
「冗談やき、そがな怖い顔しいなぁ」
「……何か分かったら連絡くれないか、先生」
「あぁ、分かったよ…」
猫専用のトートバッグに猫(香澄)を入れると診療所を離れ去る肥前。
その場で見送り終えた陸奥守と南海は
「のお、南海先生…肥前の"あの反応"どう思うろぉ??」
「肥前くん怒ってましたね…」
「からかい過ぎやと思うがよ?」
「…でも僕は言っただけですよ?」
「わしのせいちゅー事か!!それは酷いんじゃなかろうか??」
「……ちょっと悪戯したくなりますよね」
「それ取り返し効くんかのぉ?」
「分かりませんよ、でもあんな彼の表情を見てたら……(結ばれて欲しいと思ってしまうんですよ)」
***
それから数日後…南海から一通のメールが届いた
〈如月香澄・猫ではなく人の遺伝子レベル
治る見込み・有り
治療方法・発情期のセックスのみ〉
……はぁあぁ?! 見間違えじゃないよな?
先生のやる事だから信用してるけど、治療方法が薬とか注射じゃなく"行為"ってどういう事なんだ…。
ただ最近気になる事があるからもう一度先生に診察してもらった方がいいのか…?
とりあえずあいつには伏せといた方がいいよな…。
「ただいま、これ…今日の買い出し分な…」
『おかえり忠広くん…いつもありがとう、ご飯作るからお風呂入っててくれるかな??』