第19章 猫と彼とアタシの恋模様(肥前さに)※R18裏
家から持って来たバスタオルを取り出して身体を覆うと、肥前は口元まで引き寄せながらキスをすると香澄の身体は猫から人へ変わり、用意してもらった服に着替える。
カーテンを開けると南海と陸奥守の驚いた顔が視界に入る。
「非常に興味深い……珍しいね…」
「猫じゃったのになんでこんな事起きゆうが!?」
『……あの忠広くんに会うまでは人として生活してました、如月香澄といいます』
「僕は南海太郎朝尊、覚えにくかったら
先生って呼んで…君の血液がどうなってるのか
知りたいね…採血させて貰ってもいいかな??」
『先生…大丈夫ですよ、採血して下さい』
そう言うと南海は採血する注射を取り出して、香澄の腕をゴムバンドで圧迫し浮き上がった
血管に注射器の針がチクリと刺さり採血を行う。
「あっ、陸奥守くんそこの注射用保護パッド取ってくれる??」
「なんして南海先生は準備してからやらんがよ
わしは陸奥守良行じゃ、肥前とは腐れ縁ちゅーか…たまに南海先生の助手みたいな事しゆうきね」
『陸奥守さんですか…ありがとうございます』
「で、そろそろ時間切れだと思うんだけどな…」
『忠広くんは分かるの??』
「……そりゃ、何度も見てたら時間も見たりしてる」
香澄の頭部からネコ耳が出ると南海と陸奥守は
キツネに摘ままれたような顔になる。
その二人を他所に肥前は目の前で香澄のネコ耳を引っ張ると白い煙が包み、人から猫の姿になった香澄を抱いている。
「僕に抱かせてもらってもいいかな??」
「……気をつけてくれよな、先生」
肥前は猫(香澄)を南海の腕に手渡すと、
床に散らばった服を拾い集めリュックに仕舞う。
「猫から人に変わるところを是非とも間近で見たいんだけど…肥前くんは許してくれなさそうだね
まぁ…カーテンがあるとはいえ"あの影"を見ればナニしてるか予想は当たってると思うけど…」
「へぇ……肥前もすみにおけんヤツじゃのぅ…」
「ニヤニヤすんな!!
だからこいつと一緒に来たくなかったのに、
早く調べてやらないと不安がるかと思って…」