第19章 猫と彼とアタシの恋模様(肥前さに)※R18裏
「分かった、とりあえず外の移動は猫のままだからな
あんたの症状見せたい人がいるからそれまでに用意する」
『それで大丈夫、だけど自分のハダカを見られるのはちょっと…恥ずかしい…から、バスタオルで巻いてから…キスしてくれる…??』
「あぁ…分かった、じゃあ出かける準備するか」
『忠広くんありがとう…お願い、アタシは洗い物するから』
香澄は食べ終わった食器をキッチンまで下げると洗剤をスポンジに付けて洗い始める。
肥前はリュック式のバッグにバスタオルと香澄が着れそうなTシャツ、部屋着で使用しているウエストがゴムになってるハーフパンツを入れると…。
「こっちは準備できたぞ」
『アタシの方も終わったよ』
「猫耳が出てるな…痛くしないようにするな…?」
『ありがとう、でも大丈夫だからね』
そう言うと香澄のネコ耳を少し引っ張ると白い煙と共に猫の姿に変わる。
猫(香澄)を抱き上げ猫専用のトートバッグの中に入れてチャックを閉める。
***
電車を乗り継ぎ向かう場所は肥前が経営する保護猫カフェだった。
そこには傷付いたり捨てられた猫達が部屋の片隅に集まって居た。
肥前が猫の扱いが慣れていたのは"傷ついた猫達を自分で保護したい"とトリマーの資格を取っていたからだ。
「ほら、みんなおいでー」
『にゃあー(ネコさん達がいっぱいいる、カワイイー)』
肥前は猫(香澄)をトートバッグから出すと少し離れた距離から保護猫達に餌を与えて様子を伺うが他の猫は餌を食べるが一匹の猫が一向に近寄ってこない。
「菫ん様子がおかしかとが気になるな…」
『にゃーぁ??(菫って、このネコさんかな??)』
「香澄、じっとしてろばい」
『……にゃあ!?(……!?やっぱり忠広くんはネコに喋る時は別人になってるよね??)』
猫(香澄)は肥前の元から離れ、菫という猫の前にすり寄っていく。