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木洩れ日の休息・短編集【刀剣乱舞/R18】

第19章 猫と彼とアタシの恋模様(肥前さに)※R18裏


『にゃぁ…(勢いがなくなって怖くないかも…)』

「…すぐ済ますっけんな?」

手早く洗面器に猫用のシャンプーを数滴加えて泡立て身体を洗うと、すぐお湯で洗い流して同様にトリートメントも済ませる。

浴槽から濡れた猫の身体を抱き上げてバスタオルで水滴を丁寧に落としていくとドライヤーを取り出して猫の身体に当てていく。

「よし、乾いたね…もう大丈夫じゃろ??」

『にゃ~あ…(ずっとこのままなのかな、でも行く場所なんてないし…)』

「そがん悲しそうな声で鳴きんしゃんなや…よか子や…あがんところで一匹で頑張ったね」

猫の頭を優しく撫でるとふんわり笑顔を浮かべて、その猫の口へと軽くキスをすると…ボワッと白い煙が猫の周囲を覆い視界が眩む…。
やがて白い煙が無くなるとそこ居たはずの猫が一人の女に変わっていた。

「………はぁあぁあぁ!?」

『えっ??…あれっ、アタシ…戻ってる??』

「……ちょっと待て、その前に服着てくれ」

『………へっ?? あっ……イヤぁあぁあ!!
こっち見ないで!!』

素っ裸とも合って慌てて服を差し出された彼の黒い無地のTシャツ…少しブカブカだけれど文句は言えない…背を向けて見ないようにしてる…。

「着れたか…??」

『大丈夫…です』

「おれは肥前忠広、あんたは??」

『アタシは…如月香澄…って言います』

「なんであんなところでしかも猫になってたんだ?」

『それが……よく分からなくて…アタシはちゃんと人なのに…でも突然猫になってたの、それって変だよね…??』

「……そんな泣きそうな顔すんなって、でもあんたが人である事も猫である事もおれはちゃんと見たから……信じるからな」

『……ありがとう、忠広くん
あの猫の時と喋り方違う気がするんだけど…』

「そうか??気のせいじゃないか…」
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