第18章 彼のスイッチ(松さに)
「これぐらい平気なんだけど…
如月さんが言うなら……
でも怪我の具合見るのが先だからね?」
そう言うと松井は着ているTシャツを脱ぐと、掌の擦り傷に手洗い鉢台の水で綺麗に洗い消毒液を染み込ませたガーゼで手当てしていく。
次に香澄のカーディガンを脱がせて包帯から出血してる怪我の具合を確認し終わり
新しいガーゼと包帯で巻き付けると、集中していて気がつかなかったがプルプルと身体を震わせて…視線を外して赤面してる香澄。
《松井くんの身体…綺麗だな…
見た目細そうなのに…ハードな練習してるから…
筋肉がちょっとついてて…男の子なんだよな…
駄目だ…心臓ドキドキしてる…》
「フフ…頬が赤く染まっているね…」
『へっ!?……そんな事ない…もん…』
「僕の気のせいかな……」
そう言うと香澄の顔を固定して自分の顔を引き寄せると唇にフニッとした感触が…突然の事で驚きながらも香澄はただ受け入れていく…
ふわふわする…時間の感覚が考えれなくなるほど
そして唇から少し離れた思うと松井の舌が香澄の下唇をツーっとなぞる。
『んッ……、…んん…ぁ……』
「唇から血が出てたからね……消毒」
『…ふぇっ……そうなの??』
「もう止まったかな……でも腕の傷は僕の手に負えないから病院行くよ」
『やっぱり行かないとダメかな??
痛いのイヤなんだけどな……』
「さっきの事を思い出したら痛くならないんじゃないかな……」
『……松井くん、ズルいよ』
保健室から立ち去る二人。
濡れた唇の感触と熱を帯びた頬と甘い感覚…
このやり取りは誰も知らない二人だけの秘め事…。