第16章 ○○しないと出れない部屋(小竜さに)※R18裏
「今日は何かお祝いする事ってありましたっけ…?」
「僕の個人的におめでたい事があればいいなって思ったんだよ」
「……?? 変な燭台切さんですね
でもなんだか嬉しそう」
主と小竜くんの姿が見えなくなって結構経つな…
なんかあったのかな??
でも小竜くんの事だから主の側に居てくれてるし…僕が心配しなくても大丈夫だろな…。
あの二人はまったく気づいてないけど互いに好き同士なのに中々くっつかないし、今日は赤飯でも炊いて焚き付けもよいだろうか??
周りを固めていかないとね…
主は分かりやすかったけど…まさか小竜くんまで…修行に自分から行きたいって言った時に何かあったんだろうな…。
もう僕のお役目は御免かなと…頑張ってね、主…小竜くん。
***
なんとかこの状況を変えたいと思い、書庫で小竜に食べさせてあげたい料理のレシピを一人で探す香澄。
「ほら、帰ったよ。俺の主」
『あっ…小竜さん…!? 私ぼっーとしてそんなに時間経ってました…へっあっ!?』
「危ない!!」
遠征から帰還の見送りも忘れてた事に慌ててる香澄が、脚立から足を踏み外したところへ小竜が下で受けとめると…その足元の床の底が突然抜けて尻餅をついたが床は柔らかいクッション材になっていて痛さは感じない。
それ以外の周りは固い壁で小竜が蹴ろうが叩こうが壊れる気配がない…。
『すみません…小竜さん』
「いや…キミの怪我はない??」
『大丈夫です…どこも痛くないので…』
「それなら良かった…」
大人2人が丁度収まる四角い箱状の物に閉じ込められて…身体を密着させながら訳が分からず困っていると
"互いに相手の気持ちを伝えて身体の一部に口付けすると、今居る密閉されたところから出れる"
と壁一面に文字が浮き上がってきた。
『あの小竜さん…
「昔みたいに俺の事呼んでみてよ」
『………景光くん、ずっとふわふわして掴み所のない貴方をみてて…好きなの…お父さんを失った時から…』
目を合わせると反応が分かってしまうのが怖くて俯きながら告げ…意を決してチャームポイントである竜の彫り物の首筋に口付けをすると…それをぽかーんとした姿で我に返り慌ててかえす。