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相澤消太は不健全に恋をする

第22章 幻想叶は大人になる


【幻想叶side】



当時の1年A組が狙われた事件から四年の月日が流れ、
私はプロヒーローとして活動していた。

事件後すぐはぼやけていた目も、順調に回復し元通り個性を使えるようになり
比較的有名な事務所に声をかけてもらえた


プロヒーローとしては二年間しか活動していないので、まだまだ新米だけど
やりがいを感じて、日々頑張っていた。




「「かんぱーーーーーい!!」」

そう掛け声をすると各々が好き勝手話し始める。

「今日は叶ちゃんのお誕生日会だからね!ぜ〜んぶ奢りだから好きなだけ飲みな!」
「は、はい、ありがとうございます。」

そう言って先輩の言う通りにコップを差し出すと
日本酒をなみなみと注がれてしまった。


好きなだけ飲むって…これはさすがに…

事務所の先輩方は皆さん良い方ばかりで気兼ねなく話すことはできるけど、
みんなとにかく酒豪で飲みっぷりが尋常ではなかった。



どうしよう…これは飲んだらやばそう…


そうコップと睨めっこしていると、
横からそのコップを轟君に取られてしまった。


「えっ!それ日本酒だけど大丈夫?」
そう心配して言うと

「俺日本酒は結構好きだから、大丈夫」
そう言ってなみなみ注がれた日本酒を飲み干してしまった。



轟君は私と一緒にこの事務所に入っていた。
同じクラスだった人で一緒なのは轟君だけで、プロヒーローになってからよく話をするようになった。



「そ、そうなんだ。でも正直ありがたいよ、お酒って今日初めて飲むし」
そう言うと轟君は私にフライドポテトをよそってくれた。

「食べながら飲んだほうが酒は回らない」
「なるほど…、いただきまーす」

そう言ってポテトに箸をつけると
隣から先輩のやじが飛んできた


「まったく…叶ちゃんは本当に男っ気がないわよねー。20歳の誕生日にこーやって職場のみんなにお祝いされちゃうくらいだもんねー」

早くもお酒で機嫌がよくなっている先輩に
そう言われほっぺをつんつんされてしまった。
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