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相澤消太は不健全に恋をする

第2章 幻想叶は考えてしまう


【幻想 叶side】

中学の卒業式、仲の良かった子に言われた。

『 叶の個性で人って助けられるのかな 』


助けられる。
そう胸を張って言うことができなかった。悔しかった。

私は本当にヒーローになれるのだろうか、人を助けられるのだろうか。

私も誰かにとってのヒーローに……


血の滲む努力で入学を許された雄英高校で、消化しきれない思いを抱えたまま
私はヒーローを目指している。



「はあ、今日も疲れたな…」

ハードな授業にも少しずつ慣れ、クラスの人たちとも気遣いをせず話をできるようになった。
でも、みんなが成長する度、自分の個性を理解する度、




これでいいの?

そう思ってしまう。


「予習ちょっとして、今日は寝よう」
そうだらだらとしていたベッドから体を起こした。


トントンッ

「叶ちゃん―!起きてる―?」

この声は…お茶子ちゃんか。
ドアを開けた。

「うん、起きてるよ、どうしたの?」

「あ、よかった!相澤先生が早急に連絡したいことがあるから教員室に来てって!」

「相澤先生が?…分かった、今行くね」

時刻は22時30分。こんな時間になんだろうか。
ラフな部屋着にパーカーを羽織って部屋を出た。



雄英高校は以前1年A組が敵に襲来されたことを受け全寮制に変わった。
担任教師も同じ寮に部屋を構えているため、相澤先生の部屋はすぐ近くにある。




トントン
「相澤先生、幻想です、呼ばれたので来ました」

そう言うと少したってから部屋のドアが開き、疲れた様子の相澤先生が顔を出した。

「幻想、悪いなこんな時間に」
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