第15章 相澤消太は悩まされる
「おいまじで、大丈夫かよイレイザー」
動揺している俺にマイクは落ち着いた声で話しかけた。
「幻想叶か…、俺はお前と長く一緒にいるが、
その名前をお前の口から聞いたことはない」
そう言いながら俺の様子を気に掛ける。
「何がそんなに…あの子の何がそんなに気になるんだよ。」
…分からないんだマイク、
それが分からないんだよ。
「でも…、ちょっとまてよ、記憶を改ざんする個性…」
マイクは少し黙り何かを考えていた。
「なんだよ、なんか知ってるのかマイク」
「いや……、幻想叶という名前は聞いたことはないが、
“個性”だけならお前が前に話に出していた気がする」
「……ッ!!それはいつだ、いつ頃の話だ!!」
そう言ってマイクの両肩を掴んだ。
「お、おい落ち着けって!!…いつだっけな…一年以上前だった気がするが」
一年以上前…、だめだ分からない…
なんでだ…
何だこの気持ちは…
『 『………けに、………た…?』 』
なんだ、
「……なんなんだよッ!!!!!」
靄のようにかすむその情景は、
青く透き通る瞳に、吸い込まれて阻まれた。