第13章 相澤消太は嫉妬する
「ええ!!!お祭り??!!行けるの?!」
「俺らが?!まじやべえじゃん!」
「浴衣女子とかいるのかなあ!なあなあ!」
「うるさいぞお前ら」
そう言うと一旦ざわつきは収まる。
「祭りの参加と言っても雄英高校代表として呼ばれている。変な真似してみろ、除籍処分にするからな」
「具体的には軽いステージ発表をしてほしいそうだ。そんなに大きい祭りじゃないのでメディア意識したようなものではなく、町の人を楽しませてほしいとのこと。」
そう言って幻想の方を見ると、目が合った。
そして、すぐあいつは目をそらした。
なんだよ、目を合わせて話すようになったんじゃないのか。
「今回1年A組にその話が来たのも、B組や2年3年は日程的に都合が悪いらしくてな、うちが引き受けることになった」
「ステージの内容も練習もお前らに任せるから適当に決めておいてくれ、そういうの俺には分からん」
ある程度の話をしてホームルームを終わりにした。
教室のドアを閉めるとまた教室内が騒がしくなった。
ヒーロー科でこんなイベントそうないからな、楽しみなのも無理もないか。
そうして職員室に向かおうとすると声がした。
「相澤先生、ちょっとまってください」
「幻想、…どうした」
「これ、マイク先生の授業の課題なんですけどクラス全員分です。渡してもらえますか」
そう言って俺にノートの束を差し出してきた。
「おい、なんで俺が持って行かなきゃいけないんだ」
そういうと幻想は不思議そうな顔をした。
「え…マイク先生が、課題のノートは相澤先生に渡すようにと…」
あいつ…
「はあ…分かった、預かるよ」
そう言って幻想の手からノートを受け取った。
「はい、ありがとうございます。」
そう言うと幻想は俯いて「よろしくお願いします」と言った。
また、俺の目は見ないのか。
クラスのやつらの目は見て話すのに。
「おい、幻想」
そう言うと俯いた幻想の髪が少し揺れる。
「俺の目は見て話してくれないのか」
思わず言葉にしてしまった。