第8章 幻想叶は蛍日を見つける
「あ、この前公園で迷子になってた子のお母さん見つけました」
結構前だけど
「おう!それじゃねえか!やるねえ!!」
その子が私にわざわざはがきを書いてくれたのか。
体育祭に少しだけテレビに映ったから名前分かったのか。
あの子すごく小さかった、ひらがな練習してくれたのかな。
なにこれ、すごい嬉しい。
「…ふふっ」
嬉しくて顔がほころんでいるのを見て、マイク先生が言った
「へーい幻想!お前笑った方が親しみわくぜ!ずっと笑ってな!」
そう言って私の頭を優しくなでた。
「は、はい」
何だか声の大きさに対して撫で方が優しすぎるから戸惑ってしまう。
「そういう触れ合い方は教師として不適切だ、マイク」
その声と共にマイク先生の体に捕縛布が巻かれた。
「うわ!イレイザー!!いきなりこれは酷いぜ!!!」
「相澤先生…」
「幻想も用事が終わったら職員室早く出てけ」
そう言ってこちらを睨む。
相澤先生…なんでそんなに機嫌が悪いんだろう
「…分かりました。マイク先生、これ、わざわざありがとうございます。」
マイク先生にそれだけ言って私は職員室を後にした。