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相澤消太は不健全に恋をする

第7章 相澤消太は改ざんされているⅢ


【幻想叶side】

「入試試験…分かってはいたけど難しかったな」
入試試験が無事終わり、ほっとすると同時にあの人の事を考えていた。


私の事覚えてるかな、でも話したのはほんの一瞬だし忘れてるか…





でも…

覚えていたとしてどうするの?
イレイザーヘッドは、あのとき何を見た?

個性も使えず、抵抗もできなかった
彼は、暴行されてボロボロになった私を見た。

きっと、無様だと思っただろうな。
会いたかった。会いたかったけど、今更何を言えばいいんだろう。

「わかんない…入学できるかどうかもまだ分からないし、とりあえず今日は帰ろう」
そう思いリュックの中に入れていた携帯を取り出そうと手を入れる。

「な、ない」

え、なんで携帯ないの?
どっかで落とした?どこで?

「どうしよう」
血の気が引いていくのが分かった



「おい、そこの黒髪ロングの女子」
そう声の方へ振り返ると


「……イレイザーヘッド」
彼が立っていた。



「携帯、さっき落としたぞ。幻想叶」
そう言って水色の携帯を私に差し出してきた。

さっき落としたのか…
「あ、ありがとう…ございます」
そう言って少し震える手で携帯を受け取った。



どうしよう、せっかく会えたのに、何も思いつかない。
すごく会いたかったのに。

せめて、

せめて名前だけでも知ってもらいたい。



そう考え、ハッとした。

「あれ…」

さっき、私の名前呼んだ…?

「私の名前…何で知って…」

「久しぶりだな」


鼓動が早くなるのを感じた。

「覚えてるんですか」

でも、なんでだろう、嬉しいのに、すごく嬉しいのに。
あの時の全部覚えているのだと思うと、恥ずかしくて、悔しい。

何を話そうか考えている時、彼の口から聞きたくない言葉が出てきた。




「お前、なんで雄英受けた」

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