第5章 相澤消太は改ざんされている
私が中学2年生の時塾の帰りに誘拐されたことがある
「おい、ほんとにこいつなのか?まだガキじゃねえか」
「ああ、確かにこいつだ」
「でもこいつ、顔は綺麗だぜ、依頼内容に身体いじっちゃダメとはなかった…少しくらい…」
「やめて!!触らないで!!」
あの時の私は個性を防御にすら使えなかった
「ちっ、うるせえガキは嫌いだよ俺は」
「お前はこれから言うこと聞くようになるまで俺らの玩具になるんだよ」
「記憶を改ざんするなんて個性そういないからな、依頼主はありえねえ程の報酬を詰んでくれる」
「なんで……」
私は普通に帰っていただけなのに
怖い。
怖い、怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い。
「やだ、やだ…やめてよ!!!」
私はその後四日間色んなことをされた
嫌なことを沢山された
知らなかったこと沢山された
私の個性は何にも役に立たないの 逃げられない
誰も来ない。誰も助けてくれない
だけど五日目
誰かが来た
身長が高くて黒い服装の人。髪は長めで赤い目をしてた。
雰囲気が怖いから悪い人かと思ったけど、違った。
私は何日も何日もあいつらに触られて、その時酷い格好をしてた。
すごく恥ずかしかったけど、どうにもできなかった。
身体の感覚はもうあんまりなかった。
その人は私を探していたみたいで、私を見つけたとき見たことないような怖い顔をした。
「あいつら、こんなことを………」
そう言って私の体を布で包むと、私を抱き上げて出口へと向かった
「…助けに来てくれた人?」
そう言うと「そうだ、もう喋るな」そう私に言った。
「そうなんだ…ありがとう」
そう伝えるとその人はなぜか苦しそうな顔をした。
「遅くなって悪かった。君がこんなことされる前に見つけてやれればよかったが」
「よくがんばったな」
そう言って私の頭を撫でた
出口に向かう部屋はぐちゃぐちゃになっていて、どうやら私を誘拐した奴らは既に倒されているようだった
外にはパトカーが何台も停まっていて、その人は婦警さんに私を引き渡すと警察の人とどこかに行ってしまった
あの人の名前が知りたい
後日婦警さんにどうしてもと言ったら「隠しておいてって言われてるんだけどね」と言って教えてくれた
『 イレイザーヘッド 』
それがあの人の名だと知った