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相澤消太は不健全に恋をする

第4章 幻想叶は隠している


【幻想叶side】

「おはよー…って、うわ!!何その顔!!」

朝起きて共有スペースで歯を磨いていると芦戸さんに声をかけられた。

「え、なんか変かな?」

「すっごいクマだし、なんか疲れてる…?」
そういって心配そうに私を覗き込む。

「あっ、いや、大丈夫だよ、全然」
そう言って顔をそむけた。

「おはよー、二人でなに話とるん?」
振り返るとお茶子ちゃんがニコニコして話しかけてきた。

「あ、おはー。なんか叶ちゃんがすっごい顔しててさあ」

「すごい顔?…うわあ!どうしたのその顔?!」

そう言ってお茶子ちゃんも私の顔を覗くので、焦って顔を背けた。


「昨日の夜寝てないの?」

「い、いやあ…」


寝てない。
ていうか寝れなかった。



「昨日の夜って…、相澤先生に結構遅くに呼び出されてたよね?」

「え!!何それ何それ!相澤先生が?!」
芦戸さんが目を輝かせてこちらを見る。

「なんかあったの?」



なんか…

な………ん………か………


「なっ!!!なんにもない!!なにも!!!」

そう言うと二人は一瞬きょとんとして、すぐににやにやした顔になった。

「なんでそんなに顔赤くしてんのさー!絶対なんかあったでしょ!」

「そうだよ叶ちゃん!隠し事はなしだよ!」

うわすっごい楽しそう。


「ち、違うってば!急遽体育祭の件でスカウトが来たからその返事を……」
慌てて説明するも無駄みたい

「ぜったいうそー!何してたのよ―!」


なにしてたって……
「な…なにも…」



「おーーい、お前ら朝から何はしゃいでんだよー」
声の方を見ると上鳴くんがこちらに近づいてきた。

「って幻想顔赤っ!!大丈夫か?!」

まずい、男子にまで変な話が広まるとよくない。


「あっ学校の準備あるから、部屋戻るね!!じゃあ!!」

「えっちょっと叶ちゃん!」



逃げるしかない!
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