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桜月夜の、鎖

第5章 嫉妬


「………そろそろ帰れよ、桜月」

「え」

突然。
するりと、離れていく体温。


「待って」


思わず蓮の腕を握りしめてた。





「ごめんなさい」
「は?」
「変な、嫉妬………、したの怒ってる?」


怒った?
呆れた?


キスくらいでこんなに真っ赤になって、子供みたい?


不慣れすぎて、やっぱり嫌になった?





上から。
降ってきた長いため息に思わず体がビクッて。
反応した。




「…………怒るかよ」

「え?」


「俺の問題だから、気にすんな」


俺の、問題?


「………………あたしが、子供すぎて嫌になった?」


「は?」


「なんにも応えられなくて。…………キス、すら、上手に出来ないで、呆れた?」


蓮は。
すごく上手、なのに。
もう何回もキスなんかしてるのに。


『今さら、キスだけでそんな反応』するあたしに、呆れた?
子供じみた嫉妬に。
呆れた?






もう一度。
長く息を吐き出す蓮に。
何故か涙が溢れそうになる。


だけど。


蓮はそのままもう一回、後ろからあたしを抱き締めたんだ。


「………………れ、ん?」


あたしの右肩に頭を預けるように、項垂れて。


「こっち、見んな」

「え、え?」

「無意識に煽るの、ほんと勘弁」

「は?」

「こっちはお前のこと、めちゃくちゃにしたい衝動、けっこう必死で抑えてんだけど」


め、めちゃくちゃ?

って。


いつも、めちゃくちゃに抱き潰されてる気がするんだけど。



ああ、もう。
また、絶対真っ赤だ。


「お前な…………」


「あたしのっ!」

蓮が言おうとする前に。
大声で被せて。


「…………あたしが、蓮を好きになっちゃったらもう、飽きた…………かなって」


それから、声は段々小さくなっていく。


よく、言うじゃない?
男は追いかけるのが好きだ、って。
自分に夢中になってるばっかの女は、飽きるって。
いつまでも手に入らない女のが燃える、って。



「どんだけ俺を最低にしたいの、お前」
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